多くの人が憧れる早期リタイア。
仕事をしなくても生活が成り立つ状態になれば、普段感じているストレスから大きく開放され、その後の人生が非常に楽しくなります。
でも、その状態になるには一朝一夕で出来るわけではありません。
それでは、どのようにその状態を目指すのか。
早期リタイアするための方法や、具体的にどれくらいの期間が必要なのか。
今回はこの点についてフォーカスしていきます。
貯金をするだけでは達成は厳しい

早期リタイアをするには、ある程度まとまった資金が必要になりますよね。
それでは毎月頑張って貯金し続ければ、早期リタイアが出来るのか。
結論として、貯金するだけでは現実的に早期リタイアは難しいです。
別記事でも紹介しましたが、例えば、頑張って45歳までに5,000万円貯めたとします。
この場合、65歳から年金を貰うとすると、この5,000万円で20年間生活しなければなりません。
つまり、5,000万円÷20年間=250万円が1年間で使える、という事になります。
1年に使えるお金として250万円が多いかどうかは別として、これでは老後資金は0円、という事になります。
「老後2,000万円問題」に対応出来ません。
それ以外にも、インフレが起こった場合の備えも出来ませんし、突然の大きな出費が発生した場合や、減っていく資産に気を揉むなど、貯金だけでは早期リタイアを実現するのは限界があります。
関連記事>>>早期リタイアのデメリット5つと、その解決策
投資が早期リタイアへの近道
そこで行いたいのが「投資」です。

投資というと「危険」「ギャンブル」と考えている人も多いと思いますが、しっかり学んで堅実な運用をすれば、貯金だけしているよりも効率よく資産形成が出来ます。
というのも、投資をすれば複利の効果が得らえるため、同じ期間で同じ積立額でも圧倒的に投資の方が貯金よりも資産が貯まります。
複利とは、投資で増えたお金を更に投資に回す事で、期間が長いほど資産が増えていくスピードが加速度的に増えていく事です。
例えば、毎月10万円を30年にわたり「積立て貯金」した場合と「積立て投資」した場合では
積立て貯金の場合は約3,600万円(ほぼゼロ金利なので)
積立て投資では約8,300万円(年利回り5%の場合)
もし仮に、20歳頃からこの金額を積立て投資をしていれば50歳頃には1億円も見えてきます。
逆に貯金では3,600万円。
これが複利の力で、期間が長いほど爆発的に増えていきます。
関連記事>>>複利の力。コツコツと積立て投資をする事のメリット
また、資産が増えた後でも投資の場合、凄いパワーを発揮します。
それが「4%ルール」というもので、投資で資産運用をし続けると、毎年資産の4%を取り崩して使っても資産が減らない、という事が研究により判っています。
関連記事>>>リタイア後の資産運用。資産運用の出口戦略。4%ルールについて解説
つまり、投資の方が早期リタイアを目指すうえで有利と言えます。
ただし、投資にもデメリットはあります。
株式による投資では、経済不況により大暴落する事もあります。
大暴落した時の考え方や心構えは、別記事で挙げているので、参考にしてみてください。
関連記事>>>日本人の多くが投資をやらない理由を考察。投資はやった方が良いのか。
投資による早期リタイアの目指し方は2種類ある。

投資による利益は、大きく分けて2種類あります。
つまり、「投資によって早期リタイアを目指す」と言っても、2種類のスタイルがあるという事です。
それが、キャピタルゲインとインカムゲインです。
キャピタルゲインとは
株を安い価格の時に買って、価格が上がったら売る。この価格差で利益を得る。この利益がキャピタルゲインです。
先ほど紹介した、複利の力や4%ルールは、この投資スタイルになります。
自分が購入した株(投資信託)の成長を信じて長期保有し、複利の効果で効率的に資産を増やして、来るべき時(早期リタイアするタイミング)が来たら、4%ルールに沿って資産を取り崩していく方法になります。
インカムゲインとは
企業が経済活動によって利益が出た場合、その利益の一部を、株を持っている人に「配当金」という形でお金を配ります。この配当金がインカムゲインです。
キャピタルゲインの投資スタイルとは異なり、株を持っているだけで定期的に配当金が入ってくるため、極論株価が上がろうが下がろうが関係ありません。(永遠に下がり続けるのは問題ですが)
ですので、株価の変動に気を揉む必要もなく、精神的には楽な投資スタイルです。
株価に対して1年間あたりの配当額が概ね3%以上だと高配当株と呼ばれ、例えば1,000万円の株を保有していれば1,000万円×3%で、年間30万円(2万5千円/月)が不労所得として入ってくる事になります。
どちらの方が良いのか。

これは投資家によって意見が分かれるくらい、明確な答えは無いです。
一般的には税金面等を考慮すると、キャピタルゲインの投資スタイルの方が効率が良いと言われていますが、「株価に惑わされず精神的に楽」というところでインカムゲインを好む人もいます。
僕の場合、両方やってます。
資産を形成している現在は、キャピタルゲインの方は積立てするのみで手を付けず、インカムゲインは貰った配当金は更に株を買って再投資する。
来るべき時(早期リタイア)が来たら、キャピタルゲインの方は4%ルールに則って取り崩し、インカムゲインの配当金も再投資せずに消費していく。
今のところ、このような構想で考えています。
参考までに、僕が購入している株や投資信託はコチラを見てみてください。
どちらを取るかは、それぞれのメリットデメリットを学んで、好みのスタイルをとるか、僕みたいに両方やってみるのも良いかと思います。
いずれ、これら投資スタイルのメリットデメリット記事も挙げようかと思います。
どれくらいの期間が必要か

よく「〇〇円貯めたらリタイア出来る」とかいう記事も見掛けますが、これは大きなこれは間違いです。
というのも、人によって必要な年間生活費が違うからです。
生活水準が高い世帯の場合。例えば高額の住宅ローンが残っていて高級車に乗り、子供を私立に通わせて・・・なんていう世帯であれば、年間1,000万円の配当金があってもリタイア出来ないかもしれません。
逆に倹約に努め、生活水準を低く維持出来ている世帯であれば、場合によっては年間100万円の配当でもやっていけるかもしれません。(年間100万円の配当金なら、利回り3%であれば約3,300万円貯めれば早期リタイアできます)
つまり、生活水準によって貯めなくてはならない資金が大きく変わってくるという事です。目指すゴールまでの距離が変わってくるわけです。
また、生活水準に並んで重要なのが「貯蓄率」です。
貯蓄率とは、その人の手取り年収に対して何パーセント貯金(投資)に回せられるか、という指標です。
もちろん、この貯蓄率が高いほどゴールに到達するまでの期間が短くなります。
例えば、貯蓄率が50%(年収の半分を投資に回す)の場合だと、約17年で早期リタイア出来る事になります。
この貯蓄率50%というのは、相当節約等をしていかないとかなり厳しい数値だと思います。
試しに自分の貯蓄率を計算してみて、現状だと何年で早期リタイア出来るのか、考えてみても面白いと思います。
関連記事>>>FIREと貯蓄率の関係。早期リタイアするには何年必要か。
この記事で面白くて興味深いところは、単純に年収が高ければ早期リタイアに近づけるわけではなく、支出を抑える、というのも重要な要素という事です。
支出を抑える、節約についての記事も参考にしてください。
関連記事>>>ふるさと納税
関連記事>>>楽天市場で節約!楽天市場で購入するとお得な理由5つと、賢い購入の方法を紹介
関連記事>>>電気会社を乗り換えた結果、手間なく毎月の電気料金が下がりました。
関連記事>>>節約のモチベーションを上げるシミュレーション。〇〇円使わなければ、30年後の不労所得は〇〇円になる。
まとめ

早期リタイアへの近道は投資する事ですが、それでも一朝一夕で達成出来るわけではありません。
また、結局は節制する事で早期リタイアへの期間も短くなる事から、今の楽しみを犠牲にする、という面もあります。
若い時と高齢になった時を比べると、若い時の方がお金の方が使い道も多く(旅行に行ったり美味しい物を沢山食べたり)、若い時に使った方が人生のトータルで考えると得かもしれません。
だからといって、ずっと浪費ばかりしていては、いつまで経っても資産が貯まらない。
どちらの方が良いのか?
ジレンマですが、どちらか一方だけを選ぶ必要はなくて、要はバランスです。
今も楽しみつつ、節約出来るところはキッチリ節約して、今も楽しみながら早期リタイアを目指す。
早期リタイアする事だけを目標にするのではなく、その道中も楽しみながら目指していけば良いのではないでしょうか。
目標に向かっている最中に得られたモノの方が、実は目標としていたモノより価値があった、なんて話も聞いた事があります(ジンって人が言ってました)
楽しみながら早期リタイアを目指して行きましょう。
コメント